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デザイナーNANAのUX武者修行の旅! 東京四日目!

[2014/04/30]

 

【4日目】講師:児玉哲彦さん(株式会社アトモスデザイン)

 

4日目は、石巻工業高校で開かれた「高校生のためのUX」の授業の講師をしてくださった、

児玉さんのもとで勉強させていただきました。

 

この日は、児玉さんのお仕事に、アシスタントとして着いていく、というような感じでした。

 

最初に、児玉さんのクライアントの方と一緒に、ランチをご一緒させていただきました。

そこで、今開発が進んでいるアプリのお話を聞いたのですが、

そのアプリの、ターゲットとなる年齢層の方が今プロジェクトメンバーにいないというお話を聞きました。

そしてそのターゲット層が、ちょうど私くらいの年代で、

自分自身興味のあるジャンルだったので、そのアプリに対しての感想や意見を、

恐縮ながらお話させていただきました。

「そうか、そこには気付かなかった」と、私の意見を聞いて初めて感じてくれたことがあったりしたようで、

お話できて良かったです。

 

やはり、ターゲットとしている層の話を、直接聞くのは大事だな、と思いました。

「こうかもしれない」という予想だけでつくっていくと、

的外れになってしまうことも、あると思います。

「ユーザーが本当に求めているもの」をしっかりと理解してつくるためにも、

ユーザー調査をしっかりしてつくっていくことが大事だと思いました。

 

その後は、児玉さんがいつもお仕事をしているオフィスにお邪魔して、

児玉さんの今までしてきたお仕事や、

UXデザインにおいて大事なことなどを、お話してくださいました。

 

児玉さんの今までしてきたお仕事のお話を聞いて、

児玉さんは常に、時代を先駆して物事を考えていると感じました。

「今、これが流行っているからそれをやる」

ではなく、

「今、これが流行っているから、次はこうなるだろう」

と、

先のことを見据えて、そのために動いているという印象でした。

実際、今までしてきたお仕事の内容も、時代先駆したものづくりばかりで、本当にすごいと思いました。

 

そうやって、先を見据えて仕事をしていくためにも、

「数字でみること」が大事だよ、というお話もしてくださいました。

 

今この状態でこの数値が出ているから、何年後には、こうなって、この数値になるから…

などと、

何となく「こうなるかも」みたいな感覚だけではなくて、

数字で先のことを分析するが、この仕事をしていく上では大事になってくると教えてくださいました。

 

私はどちらかというと数字が苦手な方なのですが、

おもしろいものをつくるためにも、

そうやって数字を見て分析できる能力も必要だと思いました。

 

また、デザインをする上で、児玉さんが大切にしていることで、

「世界観」をしっかり考える、

というのが印象に残りました。

 

色やレイアウトを考えるのはもちろんですが、

その前に、つくるモノのコンセプトをしっかり考えて、

「世界観を固める」というのはとても大事だと思いました。

 

思わず、その世界に引き込まれてしまうような、

そんな、人を魅了するデザインをしていきたいと思いました。

 

 

その後は、児玉さんのお仕事の打ち合わせに参加させていただきました。

児玉さんのアシスタントという程で、電通本社に潜入してきましたっ。

でかかったです!!

 

某アプリの、UI改修の打ち合わせだったんですが、

そこで感じたことは…

どんなにユーザーのことを考えてつくったものでも、

クライアントに「NO」と言われると、それが通らないときもあるんだな、と痛感しました。

それは、クライアントの好みであったり、予算的な問題であったり、様々な理由があると思いますが、

そこも込みで、考えることも必要なのだな、と思いました。

 

そして、そういうところも考えつつ、みんなが納得するようなデザインの、

「プレゼン力」というのも必要だと思いました。

自分はプレゼンテーションの能力はまだまだだと思うので、

そこもこれから勉強していかなければならないな、と思いました。

 

その日の、児玉さんの授業は、そこまで。

 

 

 

【イベント】Green drinks Yokohama

 

その後は児玉さんと一緒に、「Green drinks」というイベントに参加してきました。

 

 

企画に、1日目にお世話になった加藤さんが関わっていて、お誘いをいただいたのですが、

とても感慨深い内容のイベントでした。

 

そのイベントでは、2人の女性起業家の講演がありました。

 

1人目は、

「人手不足の農村」と「就職口の見つからない方」を引き合わせる事業をしている、

小島希世子さんという方のお話でした。

 

小島さんは、自分の好きな農業をお仕事にして活躍されていた方ですが、

東京で初めてホームレスを見たときに衝撃を受けたことがきっかけで、この事業を立ち上げたそうです。

 

小島さんは、ホームレスの方がなぜ、ホームレスをしているのかが気になり、

実際にインタビューをして回ったそうです。

理由は様々ですが、

インタビューをしてわかったことは、

ほとんどの方が、「働く意欲がある」ということだったそうです。

 

働きたくても働けない、そんな人たちを、

人手の足りない農村と結び合わせたら良いのでは、と、小島さんはそこで気付いたそうです。

 

そして事業を立ち上げ、就職口の見つからない方を対象に、農村にどんどん呼び入れ、

今では、将来への希望を失っていた方々も、

野菜を、1から育てあげることで、「生き甲斐」や「やりがい」を感じられるようになり、

生き生きと、働いているそうです。

 

2人目は、

「児童養護施設の子どもたち」と「社会」を引き合わせる事業をしている、

林恵子さんという方のお話でした。

 

林さんは、あるお仕事がきっかけで児童養護施設に行き、

現場にいる子どもたちや施設職員の話を聞いて、

社会の思い描いている「児童養護施設のイメージ」とは、大きくギャップがある、と感じたことがきっかけで、

この事業を立ち上げたそうです。

 

養護施設の子どもたちは、ほとんどの子が「支援はいらない」と思っているそうです。

 

なぜかというと、子どもたちは、周りから「かわいそう」と思われるのが、一番嫌いなのだそうです。

 

「児童養護施設にいる子どもたちは、親をなくしてかわいそうだ」

という偏見を持っている方は多いと思います。

 

でも実際には子どもたちの親は生存しているケースがほとんどで、

虐待や、金銭的な問題で養護施設に来ている子どもが多いのだそうです。

 

また、子どもたちは、児童養護施設には18歳までしかいられず、

がんばって大学に進学しても、学費が払えずに中退してしまったり、

施設を出た後のサポートというのも、不十分なところが多いという現状があります。

 

そんな子どもたちに、社会に出ても希望の持てる環境をつくりたい。

林さんはそう思ったそうです。

 

そこで、「児童養護施設の子どもたち」と「社会」の間にある、

偏見やギャップをなくすために、

養護施設の子どもを対象に、自分の夢をスピーチして、それを大人たちに聞いてもらうというイベントを行ったり、

退所者たちが気軽に集まれるような施設をつくったりして、

子供たちが将来への不安を解消できるような運動をしているそうです。

 

 

どちらも、素晴らしいお仕事をしている方だと思いました。

お二人には、共通している部分があると思いました。

 

それは、

『希望を生み出すためのきっかけづくりをしている』

というところです。

 

ホームレスの方々も、養護施設の子どもたちも、

最後に決めるのは、その人次第だ、とおっしゃっていました。

自分たちは、「きっかけ」をつくっているだけだと。

 

でもその「きっかけ」があるおかげで、

大きな「希望」が、たくさん生み出されていっています。

それはとても素晴らしいことだと思うんです。

 

イトナブも、同じだと思いました。

 

自分の会社のことを誉めるのはなんだか変な感じですが、

だけどイトナブも、

若者に、開発を学ぶ「きっかけ」をつくっています。

 

強制ではなく。そこからどうしていくかは、その人次第です。

だけどみんな、楽しんで学んでいて、生き生きとしています。

 

人に希望を与えるお仕事に、今自分が携わることができて、

改めて、イトナブに入社できて良かったと思いました。

自分が今いる場所が、どんなところなのか、再確認することができました。

 

講演を聞きに行けて良かったです。

加藤さん、ありがとうございました!

 

 

この日、児玉さんに言われた言葉でとても印象に残ったことがあります。

それは、

 

「自分がハッピーじゃないと、人にハッピーを与えることはできないよ」

 

という言葉です。

 

本当に、そうだと思いました。

 

自分が楽しくなければ、人に楽しさは伝えられない。

自分がおもしろくなければ、使う人もおもしろいと感じてくれません。

 

人にハッピーを与えていきたいと思っているので、

まずは自分が、ハッピーでいられるような生き方をしようと思いました。

 

この日もたくさんのことが学べました。

1日中、私に付き添ってくださった児玉さん、

お忙しい中、本当にありがとうございました!